検索連動型広告に関して言えば、正直なところ「やりきれば成果が出せる」と思っています。
もちろん、キーワードの選定や広告文のセンスなどにもよって大きくパフォーマンスは変わりますが、ひたすらコツコツ設定するというものでも高い成果は出せのではないでしょうか。
12月10日頃に「12月20日から広告を出したい」という依頼を受けるというハプニングが起こり、Yahoo!さんの年内審査最終日である12月18日18時までに奮闘した備忘録でも書いてみようかと思ってます。
今日は、そんなお話です。
クライアント様の事業情報
商品数が70,000点ほどある大規模なECショップです。
年末年始に需要がある。
現状のCPAは28,454円で、16,000円ぐらいにしたい。
現状のキーワードは「ブランド名」や「ブランド名 商品カテゴリ」のような一般的な形。
細かい商品名などは入っておらず、商品カテゴリも大雑把な感じでした。
けど、決して悪い感じのアカウントではなかったです。
運用方針を考える
1、短期間での最適化
年末年始に需要があるにも関わらず、運用開始が12月20日スタートということで、需要期までの期間が非常に短い状況でした。
運用初日に広告費が使えないことは最悪、むしろ一気にアクセルを吹かしてみるという選択をしました。
これは短期間で最適化をする選択肢の1つです。
2、マッチタイプの活用
「ブランド名 商品カテゴリ」という分かりやすいキーワードで設定していくこともあり、絞込み部分一致を多用。
3、細かいアカウント設計
キーワードを少し細かくして、1広告グループ、1キーワードで構築。
(全てではないですが・・)
各キーワードでの最適なリンク先の設定。
まぁ、普通な感じですね(汗
ちょっと変わった部分については、短期間で最適化するために、初日から勝負するという感じでしょうか。
運用初日の結果報告
12月1~19日までの他の代理店様が回してたデイリーの平均と、12月20日の比較です。
12月19日までのデイリー平均値
広告費:60,262円 コンバージョン数:2件 CPA:28,425円
12月20日
広告費:273,588円 コンバージョン数:10件 CPA:27,359円
完全に広告費使い過ぎ(汗
12月の11日間でいただいていた予算が80万円だったので、初日に35%の広告費を使ってしまうという結果でした。
事前の打合せにて「20~30万円ぐらい使えるかもしれないですね。たぶん使えないと思いますけど」という話はしていたものの、さすがに「大丈夫ですか?」と連絡がきました。。
ただ、この1日で見えたものは非常に多くて、どのような系統のキーワードでコンバージョンするか、予算に合わせて勝負をしていくキーワードの選定、クリック単価や広告文の現状のパフォーマンスなどなど。
また、検索クエリやインプレッションシェアが見れる今では、キーワードごとに潜在能力的なものも運用して数日で分かりました。
一度アクセルを踏んだ状態で広告を出した経験があると、今後の広告予算算出もしやすくなりますしね。
予算は4.5倍使って、CPAは維持(少し下がった)という結果が出たので、初日だけの数字を見て「CPA16,000円」という目標はかなり見えたな・・と感じました。
2~4日目の結果報告
次は12月21日~23日の3日間のデイリー平均です。
広告費:60,313円 コンバージョン数:5件 CPA:12,062円
(いちおCV数は2.5倍で、CPA57%ダウンです。)
CPAは目標まで下がりました。
やったこととしては、コンバージョン率が高くないであろう大きめなキーワードの停止と、入札単価を一気に下げたことだけ。
予想外だったことは、もっとクリックを集めて広告費が使えると思っていたのに、予想以上にインプレッションが減ってしまったこと。
また、思った以上にコンバージョン率が伸びなかったこと。
まぁ、2日間で15件なのでブレは出るのが当たり前なのですけど、20件ぐらいは取れるかとおもってました。。
そんなに甘くないですね(汗
広告運用前は、それなりにアカウント構造がしっかりしていたので、ここまで改善できるとは思っていませんでした。
うん。予想外。
微調整を続けて、取れるであろうキーワードを強めに設定することでCPAは10,000円を割ってくるだろうな・・と感じています。
一旦はそこをゴールとして1ヶ月ぐらいでもっていければいいなぁと・・・。
もう広告文を追加しても年内は審査が通らないでしょうし、単価調整などで年末年始の需要期を迎えたいと思っております。
今回やったこと
実際にはアカウント構築にかけられる日数が5日ほどしかなくて、自分が目指していた完成度の70%ほどです。
周りにいるスタッフやパートナーも巻き込みながら、初期構築にかかった時間は100時間ほどかと思います。
いつもなんですが、とにかく細かく設定をしています。
ただそれだけです。
とくに変化球的なキーワードを入れているわけでもありませんし、特殊な広告文を作っているわけでもありません。
あとはキーワードによって、最適なリンク先を設定したぐらいですかね。
広告文の訴求は全く変えてなくて、ユーザーが見やすいように整えました。
キーワードは細かく設定したので、3倍ぐらいになりました。
とは言っても、10,000ぐらいですけど・・・
リンク先は40→350ぐらいまで増えてます。
ここが一番大変だったところですかね。
頑張ったのに、予想よりもコンバージョン率が上がらず、ちょっと泣きそうですが。。
なんだかTwitterでは「効率悪そうですね」なんてお言葉をいただきましたが、私の考える初期構築ってそんな感じです。
たぶん初期構築にこれだけ時間をかけるところって少ないでしょうし、たぶん年末の入稿期限がなければ倍ぐらい時間かけてるかと思います。
これでも、極力効率良くアカウント構築ができるように自社のツールとかを駆使しながらやってるんですけどね・・・。
初期構築に時間がかかったとしても、それで初日から一気にパフォーマンスが出すことができるのであれば、私はいくらだって効率の悪い初期構築をしますよ。
今回は時間の問題で少し中途半端になってしまった感は否めないですが、それでも良い結果が出てる(今後も出そう)な雰囲気です。
別に変わったことをしたわけではなくて、いかに細かく丁寧に設定をしていくかでも大きくパフォーマンス改善できる結果が出た事例かなと感じています。
やるべきことを、しっかりやる。
このことを、今後もしっかりと自分に言い聞かせながら運用をしていきたいと思っておりますよっと。
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この記事を書いた人桜井 茶人(さくらい さと)
株式会社バルワードの代表。
リスティング広告の専門家でありながら、集客全般を見れるマーケター。
- Googleプレミアムパートナー
- 著書:リスティング広告のやさしい教科書