誰も完璧な広告なんて作れない
広告を作成する際、できる限り完成度の高いものを準備すると思いますが、最初から完璧な広告なんて誰にもできません。
(というか、私は完璧な広告は存在しないと考えていますし。)
リスティング広告の運用者は、定期的にデータを見ながら最適化を行っていると思うのですが、それでも見逃してしまう部分はありますよね。
今日は、そんなお話です。
注意事項
今回の方法については、ある程度キーワードを網羅して、データが溜まっているアカウントである必要があります。
また、運用者の見極め(スキル)で大きく変わってきます。
俺式Xリプレイス大作戦
広告を構築する際にデータ(PPCやアナリティクス)が十分にあるサイトや、自分で運用をしていてデータが溜まった際にやって頂きたいことです。
何かというと、
「クエリからキーワードの除外」と「コンバージョンが生まれるキーワードの選定」です。
何をいまさら・・・という感じですかね?
サイトのクリック数にもよりますが、1ヶ月や2ヶ月のクエリでは見ることが出来なかったも不要なキーワードもあったりすると思います。
例えば、1ヶ月間にYahooで5クリックあった必要か不要か分からないキーワードだとしても、Googleでも5クリックあればクエリを合わせれば10クリックですし、半年分データがあれば60クリックになります。
アナリティクスでキーワードでの滞在時間なども見れば、より除外すべきかどうか判断はしやすくなると思います。
ハッキリ言って大変です。
膨大なクエリを見ながら判断していく作業は、何度も心が折れそうになります。
しかし、やってみるとこんな感じの結果が良く出ます。
表示回数(インプレッション)が激減して、クリック率が急激に上がります。
表で出すと、こんな感じです。
(上のグラフの前半と後半のそれぞれのデータです)
差は歴然ですよね。
このデータは、改善前も私が運用していたアカウントです。
「日々の管理が甘いんじゃないの?」
と突っ込まれそうですが、一応これでも、他社様からの乗り換えで、以前よりも広告費を5倍以上使いながらCPAは半額ほどの自信を持って運用をしていたアカウントです。
再構築をして最初の1週間でのデータのため、最適化が必要ですが、十分なパフォーマンスが出せていると思っています。
方法その1、徹底的に除外キーワードを洗い出す
※データが十分でない時に、この方法をやろうとすると損失が多くなる危険があります。
上記でも述べたよう、コンバージョンが生まれないであろうキーワードは徹底して除外。
通常広告を作成する場合は、損失が生まれないように判断が難しいキーワードも出稿することが多いかと思います。
データを見ながら、自分の判断で除外キーワードを洗い出します。
方法その2、コンバージョンが取れるキーワードを見極める
こちらは、現在コンバージョンが生まれているキーワードを中心に見ていきます。
インプレッション、クリック率、掲載順位、コンバージョン数、コンバージョン単価(CPA)等を見ながら、もっと強気で攻めて数が取れるキーワードをピックアップしておきます。
方法その1で、無駄な広告費が抑えられますので、ビッグキーワードで今まで以上に強気で広告を出稿しても全体を見ると、CPAが落ちることが多くあります。
その他、コンバージョンの生まれていないキーワードに関しても、コンバージョンされているキーワードからピックアップしていきます。
例
「○○ 激安」でコンバージョン出てるから「○○ △△ 激安」も表示回数が多いから上位表示すれば取れそうだね。
「激安」のついたキーワードはコンバージョンが生まれているけど、「格安」だと全く出てないな。
※コンバージョン数があまり出ない商材(電話が多くて測定しにくい場合など)については、アナリティクスの滞在時間などを見ながら判断していきます。
※コンバージョンタグはサンクスページだけに設置する必要はありません。電話での問い合わせが大半で、コンバージョンがあまり生まれない場合は、手段の1つとして、ユーザーが興味があれば見そうなページにコンバージョンタグを設置することで、どのキーワードがユーザーにマッチしているかの判断ができるようになります。
方法その3、マッチタイプを考える
今回の事例アカウントは、通常の部分一致はほとんど使っていません。
ほぼ「完全一致」、「フレーズ一致」、「絞り込み部分一致」で作成をしています。
膨大なデータがあれば、通常の部分一致は使わなくても、十分にユーザーを集められます。
もちろん、部分一致を使わないことでの損失というのは必ず出ます。
膨大なデータがあれば、余分な広告費を抑えることで、コンバージョンの取れるキーワードを強気で出すことで損失はカバーできると考えています。
(CPAはあまり意識しないから、シェアを取りたいと場合は、部分一致を活用するのも良いと思います)
※ここは判断を誤ると、インプレッションが予想以上に激減をして、クリックが集められなくなりますので注意して下さい。
方法その4、アカウントを設計して再構築
設定しているマッチタイプでブレが生じないよう、アカウント設計の段階から考える必要があります。
例
キーワード 「ホームページ制作 激安 東京」
上記のキーワードで検索した場合、
「ホームページ制作 激安 東京」の完全一致で広告を出したいが、
「ホームページ制作 東京」の部分一致では広告を出したくないですよね?
狙い撃ちをしたキーワードに関しては、他のキーワードで引っ張られないように設計をする必要があります。
運用しているアカウントにキーワードを除外で追加したり、キーワードを追加するだけでは補えない部分まで一気にやります。
再構築後のアフターフォロー
どんなに分析をしたとしても、必ず上手くいく保障はありません。
今回の事例でも、予想以上にクリック数が減りました。
それでも、広告費の削減やコンバージョン率の上昇は予想に近い数値でした。
ここ2ヶ月ぐらいで、今回の例を含め3つのアカウントを同じような手順で再構築をしたのですが、同じように広告費が65~75%でコンバージョン数は1.1~1.2倍ぐらいの結果が出ました。
(今回の事例は、YahooとGoogle合わせて月間100万円ぐらいのアカウントで、その他は450万円、700万円ぐらいのアカウントです)
今回の方法は、「クエリからキーワードの除外」と「コンバージョンが生まれるキーワードの選定」がキモになります。
運用者のスキル、判断で結果は大きく変わります。
すでにアカウントを運用されているのであれば、失敗した場合は以前の広告に戻せばよいだけなので、チャレンジしてみてもよいかと思います。
ただ、ホントに細かい作業で心が折れそうになるので覚悟が必要です。。
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この記事を書いた人桜井 茶人(さくらい さと)
株式会社バルワードの代表。
リスティング広告の専門家でありながら、集客全般を見れるマーケター。
- Googleプレミアムパートナー
- 著書:リスティング広告のやさしい教科書