ターゲット層を変え、大きく方針を変えたことで成功を手にした事例

あなたのターゲット層って合ってますか?

固定概念というものは恐ろしいもので「自分たちがやっていることが正しい」と思ってしまっていると、思わぬところで損失を生んでいる可能性があります。

現状のデータを細分化し、課題を見つけることで事業として大きく成功するケースがあります。

 

今日はそんなお話です。

 

今回の事例となるビジネスモデル

高額サービスであり、単発のフロント商品と、継続のバックエンド商品あり。

単発のフロント商品は、競合よりも若干安く、1枚もののランディングページにPPC広告を出稿。

 

クライアント様は、単発のフロント商品の方が利益率は高いが、継続利益を生むバックエンド商品の販売を希望。

ただ、すぐに利益が出るフロント商品に固執してしまっていた。

 

施策1、PPCアカウントを弊社で運用

他の代理店様で運用されていたアカウントを弊社で運用させていただくことになりました。

PPC広告のゴールはランディングページからの問い合わせです。

 

月間パフォーマンス比較

改善前   広告費:467,755円 CV:31件 CPA:15,089円

改善後   広告費:320,487円 CV:35件 CPA:9,157円

 

時期的なものも影響している可能性が高いですが、一旦CPAを抑えることができました。

2ステップビジネスですが、問合せからの成約率も重要なのですが、広告の変更でも成約率はほぼ変わらずでした。

 

施策2、問合せからの成約率を上げる

問合せからの成約率を上げるために、担当者からヒアリングをさせていただいた。

予想以上に成約率が高かったが、問合せ後のフォローなどが手つかずだったため、DMなどでフォローを開始。

成約率は、1.2倍ほどまで伸ばすことができた。

 

しかし、今までの延長線上であることは変わらず、売上は伸びているものの爆発的な伸びは出ていない状況。

 

ちょっとしたことから、道が開けた

打合せを行っている中で下記のような言葉がポロっと出てきた。

「今日は競合のフロント商品サービスを利用してから、弊社のバックエンド商品へと流れてくるお客様がきた」

 

なぜこのようなことが、起こるのだろうか。

聞いてみると、46歳の女性だという。

 

今まではターゲット層を20~30代としていた。

それが当然であるように、何も疑わずに。

20~30代に需要があることは間違いなかったし、実際に多くの利用者はその年代だった。

 

月の問合せが30件前後とデータが少ないが「問合せからの成約率」、「フロント商品からバックエンド商品への移行率」のいろいろなデータを出してもらった。

その結果、数は少ないが40~50代が圧倒的に成約率・移行率が高いことに気が付いた。

 

競合から流れてくるお客様も、40~50代が多いことが判明。

 

そこを中心に狙っていくという方針に切り替えることになった。

 

経営者の手腕、思い切りの良さで成功へ導く

リスティング広告のコンバージョン率を上げるため、当初はスマートフォンサイト作成の準備を進めていた。

しかし、この方針の切替によって、PCページのリニューアルがキーポイントになると決断。

 

ターゲット層が明確になったため、今までとは大きく違うPCサイトが完成した。

 

この決断ができることは、凄いと思う。

ユーザーの大半が20~30代というなかで、大きな舵をきったことは、非常に勇気のいる行動だったと思う。

以前、PPC広告でCPAが10,000円ほどだったのが、一時的に20,000円ほどまで上がってしまったということも、この決断をさせた理由だと考えられる。
(このCPAの高騰により、弊社へ運用代行の依頼があった)

 

とはいえ、40~50代しか取らないというものではなく、保険的に20~30代もカバーできるようには、作っている。

 

施策3、広告の変化

方針の変更に伴い、キーワードや広告文も見直しをおこなった。

その結果

 

広告費:321,906円 CV:28件 CPA:11,497円

CPAは1.2倍ほどに高騰。
問合せ数も1割ほどに減った。

 

ただし、成約率は格段にあがり、バックエンドへの移行率も1.5倍ほどになったため、売上は上昇した。

今では、継続利用者が増え続け、このペースでいけば、新規はほぼ取らなくてよい状態までいけそうな状態になっている。
(そうなった場合は、僕の存在価値は不要にってしまうのではないかと、不安で仕方ないけど)

 

 

成功した理由

今まで、大雑把にデータを見てきたことを、しっかり細分化して分析を行った。

成功への道筋が見えたといっても、データ量が少ないなかで、大きな決断をした経営者の手腕。

 

さすがに、全てを40~50代向けに行うことはリスクが高過ぎたこともあって、20~30代もカバーできるように制作したサイトのバランスが非常に良かったのだと思う。

結果論という部分もあるが、大きな舵を切ったことで成功したことは間違いない。

 

まとめ

テストができるPPC広告だからこそ、今回は上手くいったのではないだろうか。

経営者が下記の言葉を聞いたことで、今回はスタートした。

「失敗したら元に戻せば良いだけ。サイト制作費のリスクだけであるのであれば勝負をしたい」

 

PPC広告を使うことで、テストマーケティングが可能となる企業も多くあります。

しかしサイト制作を、私からいきなり提案することはできませんでした。

リスクもありますし、費用もかかります。

必ず成功するとは言いきれないほど、データも少なかったので。

 

ただ、こうしてクライアント様と二人三脚で成功を手にしたというもは、非常に嬉しいし、良い経験をさせていただきました。

 

おそらく下記の言葉を聞かなければ、今でも過去の延長でビジネスをしていたと思います。

「今日は競合のフロント商品サービスを利用してから、弊社のバックエンド商品へと流れてくるお客様がきた」

 

ちょっとしたことがキッカケで、活路を見出すことがあるということを、私も改めて勉強させていただきました。

今の状況を細分化することで「誰に何を伝えるのか」というのは変わってくるかもしれません。

 

 

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  • この記事を書いた人桜井 茶人(さくらい さと)

    株式会社バルワードの代表。

    リスティング広告の専門家でありながら、集客全般を見れるマーケター。

    • Googleプレミアムパートナー
    • 著書:リスティング広告のやさしい教科書
    リスティング広告のやさしい教科書
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