最近、広告文やクリック率について熱いエントリーが続いているので、そのまとめ。
そして、品質スコアに関しても事例を絡めながら紹介します。
ビックリするぐらいパフォーマンスが変わることがあります。
今日はそんなお話。
広告文のユニコーンを探せ
アユダンテさんがWordStreamのLarry Kim氏の記事を翻訳してコラムを書いています。
詳しくは、記事を読んでいただきたいのですが、文面に下記のような記載があります。
「上位1%に入りたければ、標準の6倍のクリック率を達成する必要があるが、われわれはそれを「ユニコーン」と呼んでいる。」
品質スコアの決定要因としてクリック率は大きな影響を与えます。
(品質は、Yahoo!では品質インデックス、Googleでは品質スコアといいます。)
広告の関連性や、リンク先ページの利便性、広告表示オプションも関係してきますが「クリック率こそが、品質スコアの決定についての大きな要素である」だと私は考えています。
そう考えれば、標準の6倍のクリック率ならば品質スコアも良くなります。
掲載順位を決める「広告ランク」は下記のように計算されます。
広告ランク = 入札単価 × 品質スコア
品質スコアは10段階なので、5と10では、同じ広告ランクにするには2倍の入札単価が必要になります。
クリック率と品質スコアについて
クリック率が品質スコアに大きな影響を与えるといっても「どれぐらいのクリック率がよいか?」というのを判断するのは難しいです。
掲載順位やキーワードなど、様々な要素が絡んでくるので「○%ならOKだよ」とは言い切れないのです。
そのような中で、Google Adwords Labの鷲見さんが、素晴らしい記事を書いてくれました。
『クリック率ってどれくらいが良いの?』の質問に、真面目に答えを出してみようじゃないか…
膨大なデータで、それぞれの品質スコア、クリック率、掲載順位の関係性を記事にしてくれています。
データとして「完全一致のキーワードだけ」ということなので、かなり信憑性はあるのではないかなと感じています。
このデータを見て、Yahoo!版を作ろうかと思いましたが、データボリュームが圧倒的に少なく(特に低い品質インデックスのものについて)断念しました。
誰か調べてくれると嬉しいな・・・。
クリック率が重要なのは分かった。良い広告文ってどうやって作るの?
広告文の作り方は、いろいろありますよね。
運用者の腕の見せ所でもあるかと思います。
広告文の考え方について、SEM-LABOにて阿部さんが、これまたステキな記事をスライド付の大盤振る舞いで書いてくれています。
リスティング広告で劇的に売上をあげる為に重要な広告文の極意とは?
本当に、ちょっとしたことでも結果は大きく変わるんですよね。
ユニコーンの記事で「ほとんどの広告はクズだ。感情に訴えかける広告を作ろう」とあります。
検索したキーワードがそのまま広告タイトルになっているキャプチャと共に書かれていますが、これは日本だと少し違うのかなと思っています。
広告タイトルは半角30文字(Yahooは全角15文字)ですが、その半角30文字で表現できることって、英語と日本語で大きく違うのではないでしょうか。
私は基本的には検索したキーワードが広告タイトルに入るように作っています。
そうした広告は多く見られますが、残りの文字数の活用で大きく成果って変わるんですよね。
(検索した文字数が多いと、全部同じでつまらない広告になってしまいますが)
ひらがな・カタカナ・数字・漢字が使える日本ならではなのかな・・と。
日本語だから面白いし、様々な表現が可能です。
おそらく、検索キーワードを含めない、ある意味ぶっ飛んだ広告こそがユニコーンを見つけられると思ってます。
(クリック率だけではなく、コンバージョン率からも判断が必要だと思います。。)
なので、私が作るような広告では、きっとユニコーンを見つけることはできないでしょう。
ディスプレイ広告なら、ぶっ飛んだ広告を作ったりもしますけど・・。
普通の広告でも、パフォーマンスは十分に出せる
私はユニコーンに会ったことがありません。
でも、会ってみたいですし、今後は探していくことも必要だと感じています。
しかし、基本的な作り方であっても、しっかりと考えて作ればパフォーマンスは出せます。
2月より運用をさせてもらっているアカウントの3月の事例です。
こんなデータを出しても、参考にするのは難しいのは重々承知していますが、少しは何か見えるかな・・と。
≪データの内容≫
・Yahooプロモーション広告の3月の単月データ
・業種はEC
・配信デバイス:PC、タブレット、スマートフォン
・全体のインプレッション数828,882、クリック数32,489、掲載順位3.7位、クリック率3.92
・構造はオンのキーワードが2,203個(完全一致767個、フレーズ一致12個、絞込部分一致1,424)
・使っているキーワードは、いたって普通なもの
・品質インデックスの計測はクリックが5回以上あったキーワードのみ
・計測は4月6日にレポートで確認
≪品質インデックスのデータ≫
・品質インデックス10 : 103キーワード
・品質インデックス9 : 16キーワード
・品質インデックス8 : 82キーワード
・品質インデックス7 : 45キーワード
・品質インデックス6 : 8キーワード
・品質インデックス0~5:なし
合計 254キーワード 平均品質インデックス8.63
上記の数字が参考になるかどうかは分かりませんが、基本的な広告文の作り方でも、これぐらいの品質スコアになったりします。
この広告に関しては初期から何も変えていないので、最初に作った基本的な広告文の作り方でも、これぐらいの数字が出たりします。
(もっと多くのデータ出さないと伝わらないとは思いますが・・)
もちろん業種や使っているキーワードによっては、もっと品質インデックスが高いものもありますし、なかなか上がらないものもあります。
何をする段階か考えよう
私の運用方法は、あまり広告文のABテスト等を行わないようなスタイルなので今まではユニコーンに出会うことはありませんでした。
ただ、最近は広告文のテスト等を以前よりも多く取り入れています。
ユニコーンに会いたいんです‼
複合キーワードなら、平均の6倍出るキーワードはたくさんありますけど、単体のビッグキーワードでは、良いところで3倍ぐらい。
おそらく検索キーワードをタイトルに入れて広告文を作った場合は、これぐらいが限界かと思います。
(広告文は、挑発とか煽ったりせずに作った場合)
クリック率だけではなく、コンバージョン単価(CPA)まで考えながらテストをしなければならないので、小規模アカウントだと判断までに時間がかかるの場合があり何度もテストを行えないケースもあるかと思います。
早期判断だと失敗する場合もありますし。
ユニコーンを探すことも重要ですが、まずは基本的な広告文でしっかり成果が出せるところまで持っていくとか、キーワードの選定とか、配信時間帯とか、デバイスとか、入札単価とか、とか・・とか・・とか。。。
リスティング広告って、やれることが多くあるんですよね。
しっかりと優先順位を決めて、何をすべきかをまず判断するのが良いと思っています。
ユニコーンを探す段階まで来たら、見つかるまで探しちゃうぐらいの気持ちで運用していきましょう。
私もそうします。。
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この記事を書いた人桜井 茶人(さくらい さと)
株式会社バルワードの代表。
リスティング広告の専門家でありながら、集客全般を見れるマーケター。
- Googleプレミアムパートナー
- 著書:リスティング広告のやさしい教科書