Google AdWordsのエンハンストキャンペーンによって、配信デバイスが1つのキャンペーンでまとめられてしまって困っている運用者も多いかと思います。
私自身も、できればデバイスごとにキャンペーンを分けて運用をしたいと思っており、今回ある実験を行いましたので、その報告と方法をお伝えします。
今回の記事については、私が最近「PCとスマートフォンのキャンペーンを分けたいのだが方法はないのか?」と複数の方から同じ質問を多く頂いたこともあり、記事にしました。
また、あくまで私自身が実験をした結果であり、全てのアカウントで使える方法かどうかは定かではありませんので、予めご了承下さい。
なぜ、デバイスごとにキャンペーンを分ける必要があるのか
エンハンストキャンペーンでは、PC、スマートフォン、タブレットへの広告配信を、基本的に1つのキャンペーンで行います。
現在、タブレットはインプレッション数もそこまで多くありませんし、こちらは強制的に広告が出てしまうので、コントロールのしようがありません。
(分けれるのであれば、分けたいですが・・・)
問題は、スマートフォンです。
現在のエンハンストキャンペーンの使用では、キャンペーンごとの「入札単価調整比」だけでの調整となります。
(今後、広告グループごとに調整できるようになるという話もありますが、2013年5月13日現在ではできません)
スマートフォンとPCでは、やはり需要のある(コンバージョンの取れるキーワード)は全く同じではありませんので、デバイスごとに調整ができないと広告のパフォーマンスが落ちてしまうことは言うまでもありません。
その他にも、運用者によっては、日々の管理・レポート等の面から考えても、PCとスマートフォンのキャンペーンを分けたいという運用者は多いかと思います。
実際にやってみた結果
下記はあるアカウントで、同一のキーワードが入っているPC用のものと、スマートフォン用のものの結果です。
EC-15:PC・タブレット用のエンハンストキャンペーン
EC-SP15:スマートフォン用のエンハンストキャンペーン
ご覧頂ければお分かりの通り、PC・タブレットとスマートフォンとデバイスを分けて配信することに成功しました。
今回のデバイス分けをした条件
- 登録してあるキーワードの種類はPC、スマートフォンともに同じ
- PC・タブレット専用キャンペーンは、スマートフォンの入札単価調整比を0%(引き下げ率100)で設定
- スマートフォン専用キャンペーンには、スマートフォン優先の広告を準備
- スマートフォン専用キャンペーンは入札単価調整比引き上げ率300で設定
- スマートフォン専用キャンペーンの入札単価は上記で4倍になるので、それを踏まえて調整
考え方は簡単ですよね。
スマートフォン専用のキャンペーンでも少しPCで表示されるかと思いましたが、今のところ0円です。
デメリットとしては、単価調整が4円単位になるぐらいです。
まだまだサンプルが少ないですが、この方法ならエンハンストキャンペーンでもPC・タブレットとスマートフォンのデバイスを分けたキャンペーン運用も可能かと思います。
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この記事を書いた人桜井 茶人(さくらい さと)
株式会社バルワードの代表。
リスティング広告の専門家でありながら、集客全般を見れるマーケター。
- Googleプレミアムパートナー
- 著書:リスティング広告のやさしい教科書