仮に広告費が100万円から30万円になったとしても、成果が落ちなければ広告主様にとっては、非常に嬉しいことですよね。
正直なところ「改善する前のアカウントの状態で大きく変わってくる」という部分なので、これが凄いのかどうかは別問題として、考え方としては「こんな最適化の方法もありますよ」という感じで捉えていただければと。
PPC広告を活用する場合、下記の2つで話が進むことが多くあります。
① 「目標のCPA以内で、CV数を多く取る」
② 「CV数の増加よりも、まずはCPAを下げたい」
理想は①の方向にしていかなければならないのですが、まずはファーストステップとして、②のCPAを下げたいという要望をいただいた案件の話になります。
まぁ、まだ運用して1ヶ月ほどですしね。
今日はそんなお話です。
今回の事前打ち合わせでの話
- リンク先は、既存のサイトをそのまま利用
- 広告費は月間100万円ほどだが全くCPAが合わないので改善してほしい
- CV数が落ちることは問題ないので、まずは広告予算30万円でスタート
出稿していた広告を見たのですが、無駄というか狙ってない(と思われる)キーワードでも露出もそれなりにあったし、広告文も正直微妙だったので、それなりには上手くいくだろうな~とは思ってました。
まぁ、こんな感想だったので、それなりに成果を出せるだろうという手応えがあった感じです。
不安要素としては、初めて訪問した日に「今日からお願いできますか?」とお話をいただき、通常はアカウント構築に時間をかけるのですが3日間でやりました。
(土日の休みが・・・って感じですね)
施策1、余計なクエリを除外
完全一致と部分一致(3:7ぐらい)で作られていたのですが、部分一致がカナリ拡張されていました。
まぁ、いつもやってることなんですけどね。
手っ取り早くCPAを抑えるのは、検索クエリを見るのが一番なんです。
商材的に、時期によってキーワードが大きく変わるようなことは少ないと予想してましたし、時間帯によってCVするキーワードが変わらないと判断したため、全期間の検索クエリを引っ張り出して・・・
検索クエリを見てると、どんなアカウント構造にしようか見えてくるんですよね。
キーワードや、検索ボリューム、マッチタイプなど、メモを取りながらマインドマップでラフのアカウント構造を作っていきました。
(事前に、広告主様には2時間ほどヒアリングして、競合調査などの準備もしてますが・・)
この案件に関しては、軸となるキーワードがあまり分散しないんです。
なので、みんなが大好き「絞込み部分一致」を多用して、それでも紛れ込みそうな余計なクエリは除外で登録って感じです。
施策2、広告文の訴求を考える
広告文に関しては、例のごとく3C分析を行って、訴求ポイントを絞り込みました。
まぁヒアリングの時点でも聞いていたのですが、価格が一番の訴求ポイントなので、すぐに出来ちゃいましたけど・・
ただ、この案件に限らずですが、価格の訴求は注意が必要です。
訴求で競合に負けてしまったら、一瞬で「死んでる広告文」になってしまいます。
このあたりは競合の動きを見ながらですが、今は問題なしです。
動きが合った時に、すぐに対応できるように次の手は考えておく必要はあります。
施策3、キーワードの追加
ツールで引っ張ってくるのもよいのですが、まずは自分で考えて・・・
見込み客が、どんなキーワードで検索をしてくるのかを考えながら自分でキーワードを出していって、最後にサジェストのツールとかで追加していく感じです。
キーワードが集中しやすい案件だったので、あんまり追加はなかったですけどね(汗
施策4、入札単価の調整
広告費が約1/3と考えると、掲載順位は落として運用しなければ予算オーバーは確実です。
以前は、かなり強気で設定してあり平均掲載順位が2.5位ほどだったので、4位ぐらいまで落としていこうと。
予算の調整は大雑把でスタートして、出稿後に調整という感じですけど。
結果発表
いろいろあって、Yahoo!プロモーション広告の運用代行が遅れてしまったこともあり、Googleのみキャプチャしています。
残念ながら未達成(汗
広告費も若干使い過ぎなペースですし、コストも1/3以下になってないですしね・・・。
予想外のクエリが混ざってしまうという、僕の設定ミスもあります。
絞込み部分一致を多用しているキャンペーンで、余分なキーワードが混ざらないと勝手な判断をしていた部分に油断があり、対応が遅れてしまったり・・・。
(もう、ゴメンナサイって言うしかないです)
方向性は良い感じなので、2ヶ月目には達成したいな~という感じです。
クリック単価は半分ほどになりましたし、クリック率も2倍ほど、コンバージョン率も改善できました。
イメージとしては「広告全体を尖らせた」って感じですね。
今後やるべきこと
前に運用しているアカウントが決して良いものとは言えない感じだったので、CPAを約1/3にしてCVを落とさないという結果は出ました。
成果の大小はあるにしろ、リプレイス(運用代行を他社からの乗換)の場合って、CPAを下げることって、そんなに難しくないんです。
だって、余計なところを削ればいいだけですから。
ただ、この目標を達成したとしても、ただの通過点に過ぎないんですよね。
広告費が仮に100万円→30万円で同じ成果が出せれば、年間で840万円の利益が見込めます。
しかし、広告費を100万円使っても、売上を以前の3倍にすることができれば、上記とはまた違った結果になってきますよね。
何を目標にするかというのはフェーズによって変わってきますが、長期的には「利益をしっかり出せるような広告運用」がしていきたいな~と考えてます。
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この記事を書いた人桜井 茶人(さくらい さと)
株式会社バルワードの代表。
リスティング広告の専門家でありながら、集客全般を見れるマーケター。
- Googleプレミアムパートナー
- 著書:リスティング広告のやさしい教科書