リスティング広告の運用をしていると、どうしてもCV(コンバージョン)数や、CPA(顧客獲得単価)に意識がいきがちです。
管理画面上で、すぐに見れる数字ですし、指標となることは間違いありません。
ただ、一番重要となる部分はそこではありません。
そんなことを踏まえながら、今後、求められるPPCプレイヤーとはどういったものなのかを考えてみます。
今日は、そんなお話です。
運用者が求められるものとは
運用代行をしている業社であればクライアント様、インハウスの担当者は上司、それぞれから求められるものは何でしょうか?
もちろん、CV数やCPAを求められることもありますし、どのような改善を行ったのかを聞かれることもあります。
しかし、最終的に知りたいことは
いくら広告費を使って、いくら利益がでたのか
ということになります。
例えばECショップの場合、売れる商品によっても顧客単価や利益は変わってきます。
それは、キーワードや広告文でも変わります。
CV数が圧倒的に伸びてCPAも下がったのに、CV数ほど利益が伸びていなかったり、
CV数が少なかったのに、売上が凄い伸びていたり・・・。
2ステップ系の資料請求などもそうです。
キーワードや広告によって、資料請求からの成約率は違ってきます。
PPC担当者がどこまでカバーするべきかというのは、企業によっても違うと思いますが、運用者にとって求められるものは利益であるということは忘れてはいけません。
これから求めらるPPCプレイヤーとは
PPCプレイヤーがリスティング広告以外に関係してくるものは何があるでしょうか。
ランディングページの改善
出稿した広告からのリンク先ページは、リスティング広告に影響します。
ページの改善で、CVR(コンバージョン率)が2倍、3倍になることもありますし、広告とは非常に関係してくる部分となります。
また、流入キーワードが多いものや、CVが生まれたキーワードを参考に、ランディングページにコンテンツを追加することも有効な手段です。
運用者自身がサイトのテコ入れをする必要はないと思いますが、情報共有はすべきだと考えています。
SEOをするキーワード
リスティング広告では、どのキーワードでCVしたかがハッキリ分かります。
検索ボリュームが多く、CVするキーワードとなれば、オーガニック検索でも上位表示(SEO)すべきだと考えらえるので、情報共有をするべきではないでしょうか。
競合他社の情報共有
リスティング広告で広告文を考える際は、競合分析が必須になります。
広告の訴求ポイントを決めるためにも、競合他社の広告を見て考えるかと思いますが、
その際にリスティング広告運用者の目線からの分析結果を共有しましょう。
他社の広告を見れば「A社は価格」、「B社は納期」など、それぞれの強みが分かります。
競合ホームページのメインコピーを見るだけでもより濃い情報は手に入ります。
(競合の広告のリンク先URLを見る時は、マナーとして課金されないような方法を推奨します)
その他として
- 2ステップビジネスの場合、成約率アップのためのアドバイス(資料の見直しなど)
- LTV(顧客生涯価値)が上がるような提案→うまくいけばCPAが高騰しても対応できるようになる。
- 紙媒体の広告サポート→サイトで上手くいったメインコピーやコンテンツなどを活用
などなど。
コンサルタントのようになってしまいますが、PPCが関わる部分というのは多くあるんですよね。
どこで利益を出すのかを考える
リスティング広告は、費用対効果の高い広告ですし、絶対にやるべき広告だと私は思っています。
ただ、基本的に「競合と勝負をする広告」になるため、取り扱っている商材や企業力によっては勝てない(数を多く取れない)場合も出てきます。
多少の価格差や品質であれば広告やランディングページで勝負はできますが、バックエンド商品(他に売る商品)などがあったりした場合、新規顧客にかけられる広告費(CPA)が全く違います。
そうなった場合は、リスティング広告は広告費を抑えながら効率良く出稿し、その他で集客ができるように考えなければならないケースも出てくるかと思います。
PPCプレイヤーは、PPCだけやっていれば良いというものではないのではないでしょうか。
スペシャリストであることも重要ですが、ジェネラリストとして活躍できるプレイヤーが今後必要とされる存在になるのではないかと感じています。
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この記事を書いた人桜井 茶人(さくらい さと)
株式会社バルワードの代表。
リスティング広告の専門家でありながら、集客全般を見れるマーケター。
- Googleプレミアムパートナー
- 著書:リスティング広告のやさしい教科書