アカウント構築をしっかりとすることで、広告スタート時もハイパフォーマンス。
広告開始後の運用も楽になる。
PPCの運用には、しっかりとアカウント設計をすることが重要です。
ここを疎かにしてしまうと、スタート時のパフォーマンスも悪いですし、その後の改善にも時間がかかります。
ただし、ちゃんとアカウント設計を行ってから運用をすれば、最初からスタートダッシュを決められることも多くあります。
特にリプレイス(他社運用からの切替)に関していえば、パフォーマンスが下がることは、ほぼありません。
今日はそんなお話です。
Step1、まずは自社(クライアント)を知ろう
売る商品、自社(クライアント)の強みを理解している必要があります。
「ホームページを見れば、書いてあるよ」という話になりますが、それで必要なことが全て網羅されているとは限りません。
運用代行であれば当然ヒアリングが必要になってきますし、インハウス(社員が広告運用している場合)は第三者目線というのが必要なことが多くあります。
商品・企業を理解していなければなりませんし、その商品を購入(利用)するユーザーの視点も必要です。
Step1を行うと、訴求ポイントが見えてくるので、広告文を考える時に必要になります。
また、キーワードに関しても見つかってきます。
Step2、競合を知ろう
PPC広告(主に検索連動型広告)は、競合と勝負をする広告だと受け止めなければなりません。
自分達が出稿するキーワードで、どのような広告文が使われているのかを知ることは簡単です。
また、どのようなページで何を訴求しているのかも調べることもできます。
PPCを後から出稿する場合に関しては、すでに競合が見えているわけですから「後出しジャンケン」のようなものです。
すでに競合の武器は見えているワケで、そこに対してStep1で集めた自社(クライアント)の武器で戦っていけばよいわけです。
また競合の方が勝っている部分があったとしても、広告やホームページに書いていなければ、何もないのと同じです。
例えば「実績」など、業界NO.1の競合が出していないとすれば「ご利用者○○○○○人」などという訴求をするのも有効な手段であることもあります。
Step3、キーワードを考えよう
まずは掛け合わせの軸となるキーワードを考えます。
Step1、Step2で見えてきたキーワードもあるかと思いますが、その他にも足していきます。
例えば「リスティング広告の運用代行」での軸のキーワードは
- リスティング広告
- PPC広告
- プロモーション広告
- アドワーズ
- インターネット広告
など、誰でも思い浮かぶようなものから出していきましょう。
まずは数を出していきましょう。
「リスティング広告」を「リスティング」と「リスティング広告」に分けることも良いです。
例えば「広告予算を絞って広告を出していく。」ということであれば、軸キーワードが「リスティング広告 代行」などになることもあります。
類似のものでも、まずは多く出していきましょう。
次に「ユーザーの未来を考える」ことで、新たなキーワードが出てくることがあります。
リスティング広告の運用代行で考えれば「依頼者はなにをしたいか?」ということですね。
「リスティング広告の運用代行」を探す理由は、ホームページから売上をアップさせること、新規顧客の獲得につながります。
今、「新規顧客 獲得」というキーワードが出てきましたが、発想のイメージはこのような流れで進めていきます。
幅広いキーワードでよいと考えるのであれば、どんどんキーワードは出てくるかと思います。
例えばなどのような経営者がターゲットなのであれば「社風」などのように経営者が考えていそうなキーワードも良いかと思います。
まずはキーワードを出せるだけ出して、どのキーワードを検索連動型広告に使って、どのキーワードをディスプレネットワークで使っていくかの振分をしていきましょう。
軸のキーワードが決まった後は、掛け合わせとなる複合キーワードを考えていきます。
ツールでも、ある程度引っ張ってくることが可能です。
Googleアナリティクス、キーワードプランナー、連想検索エンジン、goodkeywordなど。
特にサジェストを引張ってくれるgoodkeywordは良いですね。
すでにPPC広告を運用しているのであれば、そこからの検索クエリも重要なデータになります。
便利なツールは有効活用すべきですが、まずは自分で考えることをオススメします。
ツールはツールなので、思考停止には気を付ける必要があります。
Step4、アカウントの設計図を書こう
アカウントの設計図を書いていきます。
アカウントの設計にはマインドマップがオススメです。
(マインドマップは、いろいろ使えて便利です)
私は過去に使い勝手がよく、料金もそこまで高くなかったMindManagerを使っていますが、現在は非常に価格が高いツールとなってしまっています。
まだマインドマップを使われていない方は、無料で使えるXMaindがオススメです。
マインドマップでアカウントを書きます。
上記は簡単にですが、まとめたものです。
特に重要となるのは「アカウントの概要」と「キャンペーン構造」だけでもしっかり書き出して下さい。
(アカウント概要:配信デバイス、エリア、時間帯、URLなど)
このマインドマップには「自分の考えの整理」と「情報の共有」という2つの意味があります。
上記のマインドマップでは「複合キーワード」「地名」「除外」などありますが、全てを入れる必要はありません。
(全てを入れると、とんでもない数になってしまいますので)
その他、確認事項や代表するキーワードでの広告文など全て書き出していきましょう。
(実際は、こんな感じになります・・・)
Step5、構築していこう
広告を構築していきましょう。
Step4でアカウントの設計図がありますので、迷うことなく、どんどん手を動かしていきます。
私はcsvで行いますが、Adwords Editorを使う方もいると思いますし、それぞれで良いかと思います。
ただ管理画面上から行うと、いくら時間が合っても足りないので、その選択肢はないかと思います。
GoogleのcsvをYahoo!プロモーション広告へ変換してくれる非常に便利なツールがあります。
GoogleアドワーズCSVをYahoo!プロモーション広告のCSVに一括変換するツール
キーワードマーケティング研究所さんが無料で配布してくれているのですが、とても素晴らしいツールです。
その他でオンライン上で変換をさせてくれるところは知っているのですが、クライアント様のデータをオンラインで使うことは個人的にはやりたくないのですが、こちらはオフラインで動いてくれます。
※Yahoo!プロモーション広告では、管理画面にインポート機能がついていない場合もありますが、こちらはサポートセンターに電話をすれば設置をしてくれます。
(審査があるようです)
広告のアップロードをしたら、最後に必ずチェックを行いましょう。
特に、Googleで意図せずディスプレイネットワークが設定されていないかは、しっかりとチェックをして下さい。
検索連動型広告を使いたいのに、ディスプレイにも配信してしまうと大変なことになりますので・・・。
(管理画面の設定タブから「ネットワーク」を確認してください。検索連動型広告の場合は「検索」になっているハズです。)
まとめ
PPCをスタートさせるには、時間がかかります。
あくまで「仮説」を立てて設計をするわけですが、この「仮説」にどれだけ頭を使うかで、その後の「検証」のスピードが早くなります。
誰かが「PPPPPDCAサイクル」みたいなことを言っていましたが、本当にそうだなぁと思います。
アカウントを設計するのには本当に時間がかかるんですよ。
しかし、それ以上のリターンはありますので、最初からしっかりと作ることをオススメします。
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この記事を書いた人桜井 茶人(さくらい さと)
株式会社バルワードの代表。
リスティング広告の専門家でありながら、集客全般を見れるマーケター。
- Googleプレミアムパートナー
- 著書:リスティング広告のやさしい教科書